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薬剤師の将来性まとめ!飽和って本当?2016年の薬剤師事情
薬剤師と言うと「手に職があり、転職や就職も有利」「給料が高い」「社会的地位がある」というイメージがあると思います。
しかしここ数年では「薬剤師の飽和」という言葉をよく耳にするようになり、薬剤師の供給が需要を上回るとも言われています。
実際に薬剤師の方は下記のような疑問や不安を抱えているようです。
● 薬剤師飽和時代って本当?
● 今後薬剤師でも、就職や転職しにくくなる?
● 薬剤師の将来性はどうなっていくの?
● 今後必要とされる薬剤師ってどんな薬剤師?
今まで安定した職業と思われていた薬剤師の仕事も、変化が求められています。今後どのような薬剤師が生き残るのか、薬剤師飽和時代は本当にくるのか、≪薬剤師の将来性≫について記事をまとめてみました。
今後薬剤師を目指そうと考えている方や、薬剤師の将来性に不安を感じている方は是非読んでみて下さい。
薬剤師の現状と今後の予測について
平成24 年、厚生労働省の調査では全国の薬剤師数は280,052人で平成22年に比べて3,535 人増加しています。
今まで安定した職業と思われていた薬剤師ですが、今後はどう変わって行くのでしょう。薬剤師の現状を調査してみました。
薬科大学定員割れ!?
2004年頃から薬科大学の新設ラッシュが始まり、2006年には薬学部6年制が実施され、薬剤師のさらなる活躍が期待されるようになりました。
しかし2011年には20校、2012年には19校と定員割れが目立つようになり、文部省も定員割れの大学に対して指導に乗り出しました。
薬剤師国家試験の出願者数と合格率
|
第98回(2013年) |
第99回(2014年) |
第100回(2015年) |
---|---|---|---|
出願者数 |
12,732名 |
14,039名 |
16,546名 |
受験者数 |
11,288名 |
12,019名 |
14,316名 |
合格者数 |
8,929名 |
7,312名 |
9,044名 |
合格率 |
79.10% |
60.84% |
63.17% |
しかし2013年には定員割れは11大学に減少し、入学者数が定員の2割超など大きく上回った大学もあり回復の兆しが見えています。薬剤師国家試験の受験者数を見ても年々増加しており、まだまだ衰えぬ人気の職業であると言えます。
薬剤師の今後の需要の予測
薬剤師数は年々増加しており、今後も増加する傾向にあります。平成20年の6月に厚生労働省は薬剤師の重要と供給について「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」を開催しました。
薬剤師需給の今後の予測
|
平成17年(2005年) |
平成23年(2011年) |
平成26年(2014年) |
平成30年(2018年) |
平成40年(2028年) |
---|---|---|---|---|---|
薬剤師総数 |
313530名 |
334600名 |
354976名 |
383012名 |
437342名 |
職種別、薬剤師従事者数の予測
平成17年(2005年) |
平成23年(2011年) |
平成26年(2014年) |
平成30年(2018年) |
平成40年(2028年) |
|
---|---|---|---|---|---|
薬局 |
116716 |
134016 |
141041 |
141041 |
141041 |
病院・診療所 |
48363 |
48290 |
48478 |
48547 |
48817 |
大学 |
8421 |
11120 |
12906 |
15617 |
25343 |
医薬品製造・販売 |
30228 |
31255 |
31878 |
32667 |
34798 |
行政 |
5918 |
6241 |
6431 |
6673 |
7328 |
無職 |
12733 |
11788 |
11537 |
11050 |
10027 |
薬剤師の需要予測
平成17年(2005年) |
平成27年(2015年) |
平成40年(2028年) |
|
---|---|---|---|
需要数 (無職者を含まない) |
230156 |
261469 |
278704 |
●出典:厚生労働省「第3回 薬剤師需給の将来動向に関する検討会」配布資料
この資料によると平成17年(2005年)から平成40年(2028年)まで薬剤師の供給数(薬剤師総数)は毎年増加するとされ、平成30年(2018年)には383012名、平成40年(2028年)には437342名になると予測されています。
薬剤師の需要数は平成17年(2005年)で230156名、平成27年(2015年)で261469名、平成40年(2028年)で278704名と予測されており、少しずつ増加しています。
しかし、供給の増加数に対して、需要の増加数が少なく、将来的には就職が難しい薬剤師が出てくると考えられます。
薬剤師飽和時代は本当か?
厚生労働省の試算の結果、数字上では供給が需要を上回っており、すでに薬剤師は過剰という結果になっています。
ドラッグストアは飽和していない!?
しかしドラッグストアの場合、2009年の15971店舗から2012年では17144店舗、調剤薬局も2009年の51769店舗から2012年では56516店舗と、現在でも大手調剤薬局チェーンやドラッグストアは着実に店舗数を拡大しています。
調剤薬局やドラッグストアが増加すると言う事は、その分必要な薬剤師数も増加すると言う事になります。
試算上では薬剤師が飽和しているとされていますが、大手チェーン薬局やドラッグストアではまだまだ薬剤師の確保は当面の課題となっています。
地方は薬剤師が不足している?
また、地域によっても薬剤師数の格差があり、地方へ行くほど薬剤師不足が続いているのが現状です。
厚生労働省の調査(平成24年都道府県(従業地)別にみた人口10 万対薬剤師数)では徳島県が199.5人と最も多く、次いで東京都198.1人、沖縄県が125.3人と最も少なく、次いで、青森県126.4人、となっており地方部は都市部の半数近くの薬剤師しかいない事がわかります。
薬剤師飽和時代と言われ、薬剤師の就職・転職市場は売り手市場から買い手市場へと徐々に変化している状況ですが、現状ではまだまだ薬剤師不足の所も多く、少子高齢化社会に伴い、今後は違った役割の薬剤師も必要とされてくるでしょう。
薬剤師の将来性は?必要とされる薬剤師とは?
数字上では薬剤師は飽和しているとされていますが、これからの薬剤師の将来性にも影響を及ぼすのでしょうか。また、薬剤師飽和時代に生き残る薬剤師とはどんな薬剤師なのでしょう。
薬剤師の将来性
数字上は薬剤師過剰とされているのに、調剤薬局やドラッグストア、地方部ではまだまだ薬剤師は不足しており、買い手市場です。
なぜこのような矛盾が起こるかと言うと、薬剤師は女性の割合が高く、免許を持っていても結婚や出産で仕事に就いていない人がいたり、薬剤師の資格を必要としない職についている人も多くいるからです。
薬剤師飽和や薬剤師過剰で将来的には就職や転職が難しくなる、もちろんその可能性もありますが、これからの少子高齢化社会で薬剤師としての存在意義は高まっていますし、もっと医薬品が身近になるように、薬剤師として活躍する場面はどんどん増えていくのではないでしょうか。
将来必要とされる薬剤師とは?
現在高齢化が加速しており、高齢者数は2040年頃まで増加し続け、2020年には高齢化率が30%近くに達すると見込まれています。
一人暮らし高齢者も増加していくなかで、在宅医療に積極的に関わる薬局が増えてきており、今後は薬剤師も在宅医療だけでなく介護や福祉に関する知識を必要とされています。
高齢者も気軽に相談できる窓口として、日ごろの健康相談やセルフメディケーションに貢献することも重要な役割とされています。
病院や医療の現場で求められるのは?
病院や医療の現場では調剤中心からチーム医療の一員として、医師と連携して薬物治療を管理する役割を求められて行くでしょう。
今後の薬剤師は基本的な調剤業務にとどまらず、医学や薬物療法の知識やさらなる技術の向上、介護、福祉に関する知識、調剤から受け渡しというオートマティックな関係だけでなく、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」という立場で、地域に根づいた接客、情報提供、健康相談などを取り入れたることが求められています。
今後薬剤師の増加や薬局数の減少により、もっと薬剤師が飽和し、就職や転職が難しくなる可能性は十分にあります。
これからは薬学の知識だけでなく、コミュニケーション力や人間力、向上心をもった薬剤師が生き残り、「薬剤師としてどうありたいか」という将来像と技術ををきちんと持った薬剤師になる必要があります。
薬剤師の将来性についての記事をまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
今までと同じ働き方、スタンスでは生き残れない時代が来る可能性もあり、薬剤師も変革を求められています。
今後キャリアアップや給料アップを考るなら、当サイトでもオススメしているマイナビ薬剤師やリクナビ薬剤師などの転職エージェントを利用し、将来的なキャリアプランをコンサルタントと一緒に考える必要があるかもしれませんね。
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